【木が足りない?】ウッドショックの原因や見通しをわかりやすく解説

ウッドショックを知っていますか?
もしくは、ウッドショックという言葉を聞いたことがありますか?

ウッドショックとは?

現在日本は未曽有の木材不足に陥っています。

町を歩けば家は建っているし、ホームセンターに行けば売ってるし、そもそも日本に木材は沢山あるじゃないかと思われるかもしれませんが、問屋さんレベルでも仕入れが厳しく、たまに入荷したとしても値段の高騰により私たち材料販売店でも仕入れることがとても難しくなっています。

これを1970年代に発生した「オイルショック」になぞらえ「ウッドショック」と呼ばれていますが、今なぜそれが起こっているのか、建築現場の現状は、今後の見通しは、などウッドショックについてお話ししてみたいと思います。

木材の輸入量減少が引き起こすウッドショック【木材輸入大国 日本】

結論から言うと木材の輸入量減少が今のウッドショックをもたらしています。

ここ数年、日本の木材自給率は上向いています。

とはいえ、日本の木材自給率はおおよそ40%。つまり半分以上を輸入に頼っています。

その木材が入ってこなくなったことにより今のウッドショックは起こっています。

海外の木材需要の増加『巣ごもり需要とウッドショックの関係』

ではなぜ輸入量が減少したのか。
いくつかの要因はあるのですが、最も影響を与えたのがアメリカでの木材需要爆発です。

経済産業省HP:新型コロナがもたらす供給制約 ; ウッドショックの影響参照

新型コロナウィルスの蔓延により、アメリカではリモートワークが増え、そんな人たちが郊外に住宅を新しく購入したり、リフォームを行ったりする流れが生まれ、さらには膨大な財政出動と低金利政策がその背中を押し、アメリカでの木材需要が急激に高まったと言われています。

船が来ない!ウッドショックのもう一つの原因『世界的なコンテナ不足』

それに輪をかけたのが世界的なコンテナ不足です。

NHKHP:サクサク経済学参照

新型コロナウィルスの蔓延の外出自粛により港湾労働者やトラックドライバーが減り、荷下ろしが大きく滞ってしまい、結果木材の輸送の遅延や価格にも影響しています。こちらも以前改善の目途が立っていません。

以上がウッドショックの大局的な概要です。

それでは実際現場がどういう状況なのか。

青森市、弊社を例に話してみたいと思います。

ウッドショック in 青森/私たちの生活にも直結しています。

▶︎ 2021年3月

それは問屋さんの一本の電話から始まりました。
「木材の入荷が厳しくなってきました。必要があれば早めの連絡お願いします。」
そのときはまだ在庫がありましたし、そうは言ってもすぐに解消されるんだろうな、と思ってました。

▶︎ 2021年4月

そろそろ在庫が厳しくなってきました。
問屋さんに問い合わせるも答えは「未だ入荷の目途がたたず。」
これはもしかしてリアルにやばいのでは…と思い始めてきました。

▶︎ 2021年5月

このころからウッドショックというワードを聞くようになりました。
何とか手を打ち仕入れることはできましたが、以前状況は厳しい…というかさらに悪化するだろうとの見通しも。

▶︎ 2021年6月

通常はホワイトウッドというマツ科の材料を仕入れているのですが、もうそれが手に入らず杉材に材料を変更して仕入れることにしました。

▶︎ 2021年7月

杉材すら厳しくなってきました。

現在。様々なところにお願いして、何とか在庫は確保できていますが、いつ切れるかわかりませんし、入荷の目途も立っていません。

情報収集、状況判断が甘かったのは否めませんが、ある材料で何とかやりくりしているのが現状です。

木材不足・コンテナ不足によるウッドショックの見通しは…

少なくとも今年中によくなるということはないようです。
とは言っても手を休めるわけにはいかず、現場にご迷惑をおかけしないように材料の確保には引き続き務めていきますし、代替の材料のご提案もしていきたいと思います。

まだまだ先行き不透明ですが、確かなのは新型コロナウィルスが収束しないことには何もよくなりません。

大変な業種の方々も沢山いらっしゃるとは思いますが、感染対策を徹底して少しでも早く新型コロナウィルスを収束させ、また経済を盛り上げていきましょう!