石綿作業主任技術者講習

6月1日(月)から2日間の日程で石綿作業主任者の講習、試験を受けてきました。

建築物の解体、修繕の際の石綿調査・報告義務化(広さ、金額によりますが)に伴い、知識としても資格としても持っておいた方がよいと思ったからです。

今はまだ誰でも調査・報告をすることができますが、来年の10月からは建築物石綿含有建材調査者の資格を持っていないと調査することができません。

建築物石綿含有建材調査者の資格を取るためには様々な要件があり、石綿作業主任技術者の資格はその一つです。建築関係の大学を出ていなかったり、実務経験が少ない人にとっては建築物石綿含有建材調査者の資格を取得するための通り道です。

ただこの資格を持っていると、建築物石綿含有建材調査者資格取得のための講義が一部免除になったり、そもそも一から勉強したいという人もいるようで、講習を申し込んでも毎回抽選で受けられるかどうか。今回も会場も満杯でした。

講習ではそもそも石綿とは何か、法令や石綿による疾患、作業の仕方など、石綿に関するありとあらゆる知識を二日間で叩き込まれます。

今は法律で禁止され使われることはなくなりましたが、石綿は紡織牲、高抗張性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、耐腐食性、絶縁性、そして価格…等々ありとあらゆる面で優れ、当時はスーパー建材として使われていたそうです。

当時から様々な法律によりその使用は規制されていましたが、2005年に発表されたいわゆる『クボタ・ショック(機大手機械メーカークボタが、アスベストを取り扱う工場や地域で肺がん、中皮腫等アスベスト関連疾患が多数発生した)』によりその危険性が世に知られるようになりました。

2006年には事実上の使用禁止、2012年には完全に使われなくなりました。

しかしアスベストを使った建物の多くはまだ現存します。

ですのでいかに安全に作業を進めるか、ということでこういう資格があり、未だに規制が強化されているのだと思います。

アスベストを除去するためには防塵マスク、防塵服を着用、そして外部へアスベストが漏れないように囲うだけではなく、気圧も調整しなくてはいけません。

講習で見た風景はまさに新型コロナウィルス対策そのものでした。

アスベストをばく露してから疾病が発症するまでは30年とも40年とも言われています。

いかに安全に作業を進めるかは自分たちだけではなく、未来の子どもたちを守ることにもつながります。

建築現場でも、それ以外でもアスベストらしきものを見つけたら安易に手を出すことをせず、必ず専門家にご相談ください。